褒める奇跡と自己防衛

2014-10-30 12.27.42 のコピー

言葉を仕事にしているせいか、やはり言葉が気になる。
これをテーマにしてしっかりと今の気付きをまとめたいけれどもう少し先になるだろう。

昨日のエントリとは若干相反するけれど、『言葉』の持つパワーという大きなテーマの中で私が最も大切にして見つめているもののひとつだから書いておきたくて。

褒めることの素晴らしさについては先日のブログでも既に語ったところだけれど、これに『対』の概念を当てはめるとその『褒める』に対応するものは『ダメだし』なんだろうと思う。

先日、TED の植松さんという方の講演をYouTubeで拝見した。『どうせ無理』という言葉がいかに人生や夢をスポイルするのか、それをしない社会になればもっと人は自由に幸せになる。だからそういう社会を作ろうという話だった。

そんなことは当たり前なのだけれど、なぜかできない。何故なのかというといくつか理由がある。妬みだったりやっかみだったり、怠惰さだったり。だけれど、一言で言うと『無自覚さ』から来るのだと思う。

言葉を発するということ、言葉というエネルギーが相手、環境、自分に与える影響を知らないから、そういうことを言えてしまう。言われた本人よりも自分が返す刀でガッツリ傷ついていることにも気がつかない程、申し訳ないけれど自分の気持ちや魂、体調に気持ちがいってないのだろうと推察する。

身体というのは正直だし、魂もそう。大事な人からそういう『無自覚』にそういう言葉を言われたとき、一瞬で胃に穴が空くし、魂はつぶれてしまう。そういう経験を何度もして来たから言うけれど、そういうときには周りの音など聞こえない。ただつぶれていく音だけが聞こえる。胃に穴が空いて、血がにじむのを感じるのだ。

人間って言うのは残念だけれど、思っている以上に無自覚だし、怠惰な生き物だ。強い志を持っていても弱るし、継続していくことは至難の業だ。だから、自分を磨いて強くして、ただただ『傷つかないような』身体と心を作ることにばかり人生の長い時間を自分を含めてかけていくのだろうと思う。

前回『褒める』という話をした時、誰かを褒められるということは自分の中にその性質が内在している、それを相手の中に見いだすという行為だからこそ、相手だけではなく自らも癒し、安らいでいくという解説を紹介した。

相手の光を見いだす作業と光を消す作業。

私は自分でも人のよいところを見つけて褒める能力が高いと自負していたけれど、自分にそれが内在しているという観点はまるでなかった。これも対の法則で言うとバランスを欠いていたのだろうと思う。褒める言葉、感謝の気持ちを表す言葉は先ほどの『無自覚に相手の光を消すのと全く反対のパワーがある。

褒めたり感謝をした本人である自分が自身に内在しているものに改めて光を当てる。それが言葉となって、場の空気を変え、褒められた相手、感謝をしてもらうような行動を起こした人、その周りにいる人までもその言葉のパワーと波動に包まれる。

10倍返しという言葉を今年は何度も聞いた気があするけれど、そんな感じ。

『ダメ』といわないといわない行をひっそりとしているつもりなのだけれど、これは自分に刃を向けないという行でもある。『ダメ』という対象がなんであれ、その言葉のエネルギーが自身にがんがんと刺さるのを感じるからである。それでも『無自覚』に言い続けると、自分が参ってしまう。

それもそのはず、その『ダメだし』をずっと聞いているのは誰でもない自分自身なのだから。

『ダメだし』をする代わりに、違う対象でいいから『褒める』。(無理してその対象を褒めなくていい)『ダメだし』すべきものと『褒めるべきもの』のどちらにフォーカスしているかいつも注視しておく。意外と『無自覚』に『ダメだし』にフォーカスしているものなのだ。褒めるという行為は自らのヒーリング作用でもある。自分にある美しい部分を相手という鏡を遠して『無自覚』に再認識する行為だからだ。

私はこの言葉のパワーで結果的に大切な人を守りたくて、いつも褒めまくっている。(褒めているのはその人が本当に素晴らしいと心から思っているから)だけれどその実、その行為を通して守られているのは自分なのかもしれないということにはたと気がつくときがある。

魂がぎゅーっとつぶれていく声を聞き、胃から血が流れるのを感じていた程の私がどんどんと自らの中に強さを感じるのはまさに『褒める』ということの奇跡を体感したと言っていいのだろうと思う。強さを自らの中に感じれば、さらにその力で相手を褒めたり守ったり、大切にすることができる。

自分の身近な人を大切にしていたら、いわゆる『奇跡』なんて日常生活の一部になるのかもしれない。

愛は行動。行動のみがすべての結果。
言葉にだすということも立派な行動。
うっとうしいと思われる日があろうとも、自分がそれで癒され、いつか相手にその言葉が伝わる日が来る。
素晴らしく価値のある行動。
どうかあなたもご自身の大切な人に。

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