今日お借りした画像は、慈母観音です。
若い時、私の荒ぶった何かを諌められるような人がいて。
とても大切だったのだけれど、なんだか色々うまくいかなかった。
最後の最後、私の尊敬や信頼、全てが全部粉々になって、私は人を憎むということを覚えた。
もうこの世に存在して欲しくないと心の底から願ったのは後にも先にもその人に対してだけだと思う。
持ったことのない感情に自分がどうすればいいかわからない何年かがあって、それを許す過程が何年かあった。
10年ぐらいかけて、私は自分の鬼のような部分を知り、対峙した。
もうすっかり忘れていた。
その人の存在も、出来事も感情も全てもう私の記憶から消去されていた。
私は穏やかな気持ちでその人と手を繋いで歩いていた。もちろん夢の中で。
昔のような依り頼む気持ちも、そのあとのような恨みもない。
何を話していたかは覚えていないけれど、穏やかに話をしていた。
そして、手を離し、さようなら、と言ったところで目が覚めた。
天国への道を歩いているような真っ白な夢だった。
私の記憶は真っ暗な嵐で終わっていたから、対照的だ。
その人との最後のトラブルは、携帯電話だった。
起きてみると、寝る前までなんともな買った、充電中のiPhoneは電源が入らなくなっていた。
何かが切り替わったことを知らせてくれているような気がした。
淡々とネットで再起動方法を調べて電源を入れる。
今の私にとって自然なことなのだけれど。
知らないところで黙々と行われていたアップデートが終わったのだろうか。
リブートして新しい私にシステムが更新されたのね。