ネット速度とリア充

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インターネットの速度が一番速いのは香港・韓国でその次が日本だという記事を見た。
私が今いるこの国も東南アジアの中では早い方だろう。
ところがこのリストにEU諸国が意外と入っていないのが驚きだった。(ベルギースイス辺りがランクインしていたと記憶)

イタリアだとかフランスだとかだけでなく、アメリカも10位以下でランク外。
その理由はなんなんだろうと考える。(もちろん、国土の広さとかね、いろいろあると思います)

「早い」=「よいこと」だという価値観に私たちはずっと浸されてきている。
だからどんどんと早いサービスに乗り換え、対応機種に買い替える。

どうしてそんなにずっとFacebookやTwitterをみているんだろう。
LINEが既読になっていたらどうして返事しないで放っておくと、「怒っている」と思われないといけないのだろう。

社会がオンラインとオフラインの境をなくしてしまっているからなんだろうと思う。
誰かとご飯食べている写真をあげてないと「リア充」じゃない感じに見えるからなのかもしれない。

既読になってすぐ返事しないのを怒っているととらえるのは、そんな状況大人ならよくあるっていう想像力が欠如しているってことなのだろう。

でも、誰かとご飯を食べている写真をあげることが果たして本当にリアルにオフラインが充実しているってことなのか。
私は大切な人と楽しいご飯を食べていたら、幸せな時間を過ごしていたら、FacebookにもTwitterにもあげない。
それよりも目の前にいる人と全力でいい時間を過ごしたいと思うから。

あるお店が「うちにWi-Fiがないのはいい食事といいおしゃべりの時間を味わってほしいから」って書いていたけれど、そういうこと。
目の前にいる人、大切にするべき人を大切にするっていうことってそういうことなんじゃないかと思う。
そういう時間をどれくらい持てているのかっていうことが、プレシャスな人生にとって必要で、現実世界が充実して満ち足りている(リア充)人生なのじゃないかなぁって思う。

だからもしかすると、フランスとかイタリアだとか、美しい景色が身の回りにあって、夕方集まってワイン飲んでおしゃべりしている(イメージ)のあるところではインターネット速度なんて生活のプライオリティーの上位には入らないのかもしれない。

ビジネスの世界でも趣味やアートの世界でも「インプットとアウトプット」ということがよくいわれる。
アウトプット過多になるということは、インプットが追いつかない状況を得てして生み出す。

ビジネスでもアートでも「止むに止まれぬ思い」っていうのは、オンラインではなく、自らの体験や思索や感情から発露するもので、それを何らかの方法でだしたい、と思うのが本来のアウトプットであるべきだ、と思っている。ということは、もっと感じないといけない、っていうこと。

2014-06-30 11.37.39

最近、最も苦手だと思っていた絵をはじめた。
これは「はじめよう」と決めた訳でもなんでもなく、自分の溢れる何かを言葉以外のもので表現したいという「止むに止まれぬ思い」がある日私にペンを持たせるようになった。

モノの見方や感じ方が変わったことをリアルに感じながら、描く対象を見つめる、空を眺める。そうやって自分の変化を感じることこそが生きているという実感にもつながる。

画面の前に座っているよりも、ヨガマットをひいて自分の身体と対話する楽しみ。
筋肉がついていく楽しみ、身体がのばされていくことで癒されていくもの。
これもいつの間にか欠かせない習慣となっていくと何より満ち足りた時間で、やめられなくなっていく。
誰に指示される訳でも、気を使う訳でもなく、ただ自分の身体を追い込んだり対話したりする時間は当たり前なんだけれど贅沢だと感じる。

誰かの書いた文章に「いいね」を押して得られるものとは全くレベルの違う充足感。
言葉にならないものの価値や意味を改めて大事にできる瞬間。

もちろん、FacebookもTwitterも交流の場や気付きを得られる場として本当に楽しいものなのだけれど。
どんどん、iPhoneをしっかり握りしめていた時間が遠のいていく。
何かあるとのぞいていたSNSをだんだんとみなくなる。
ガジェット大好きだった自分はもうここにはいない。

できることならパソコンもiPhoneも全部捨てて生きたいよね、なんていうはなしをしていることがある。
全部捨てると仕事ができないので(苦笑)、たまにMacBookを開けるぐらいでいい人生を送れるようになったらいいな。

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